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昨年六月思いもよらぬニュースが届いた。それは愛知県の小弓鶴酒造さんが火災で全焼というものであった・・・。
私が小弓鶴酒造さんを訪ねたのは、今から四年半以上も前のこととなる『酒茶論』をオープンするに当たって酒蔵さんとの打ち合わせで参加蔵を巡って回ったときの事となる。
失礼を承知で申し上げると、小弓鶴酒造さんについては長期熟成酒研究会を通じて知るまでは、銘柄はおろかその存在さえ知らない蔵でした。ましてや研究会の催す『古酒を楽しむ会』に毎回出席しているわけでもなく、また出席していてもちょっと近寄りがたい、およそ商売人とは思えぬ印象で、白髪に物静かななかにも凛とした風格を感じさせるいわゆる紳士然という言葉が当てはまるであろう風体の方でした。
当日、『駅まで迎えに上がりますよ』との言葉に甘えて待っていると。現れたその日の吉野社長は東京でお目にかかるときの印象とはおおよそ違う柔和な雰囲気で東京と地元での印象の違いに興味を覚えたものでした。
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